旧制高校 ナンバースクールだった大学！

みなさん、こんにちは。

日本の大学全部行った男、山内太地です。
旧制高校 ナンバースクールだった大学！という話をしたいと思います。

旧制高校とはなんでしょう。
今皆さんが通っている高校ではなくて
戦前の高校です。

今皆さんが通っている高校は
戦前はなんと中学でした。
中学といっても男子しか通えず
女子は高等女学校でした。
旧制中学ですね。

各県に名門の高校あるんですけど
多くが戦前の旧制中学だったという学校、
あるいは旧制高等女学校だった高校、
伝統校に多いと思います。

そして、当時のその学校を出た後は
大学ってまだ数が少ないんですよね。
東大・京大、いわゆる帝国大学に入る場合には
いきなり中学から大学はいけませんから
間に高校があったんですね。

これを、旧制高校といいます。
今の高校と違って、男子のエリート中のエリートしか入れません。
これはそんなにたくさんはない訳で、
すべての都道府県には設置されていないです。
なんと8校しかありませんでした。

この旧制高校だったのは戦後無くなってしまい、
大学に吸収されました。
なので、旧制高校の教育というのは
現在の大学の1・2年生の部分になっています。
3・４年生の部分は専門的なことをやる。経済学部とか医学部。
主に教養の部分、今の大学1・2年生の部分を
旧制高校では学んでいたんですね。
この旧制高校の生徒というのは、ノリとしては今の大学生に近いです。
しかも、今の高校・大学と比べてもエリート中のエリート。

この旧制高校がいったいどこにあったのかと。
しかも状列がついていまして、できた順に番号がついているんですよ。

第一高校

東大です。
東大って駒場と本郷に分かれていますよね。
本郷の本部が、東京帝国大学です。
駒場がその第一高校ですね。あれは、高校のキャンパスだったのです。

第二高校

じゃあ、第二高校は京大なの？
なんとですね、違うんですよこれが。
第二高校はびっくり、仙台なんです。
東北大学になったんですね。
東北大学の農学部は今は青葉山の上にあるんですが、
ほんの数年前まで、農学部なのに仙台の街の中にありました。
そこが、第二高校の敷地だったんですね。

第三高校

ここで、京大です。
京都大学も道路を挟んで、京都大学の本部のキャンパスと
南側に主に1・2年生が授業を受ける総合人間学部のキャンパスがありますね。
総合人間学部のキャンパスがそのまま戦前の第三高校なんです。
なので京都大学は、旧制高校と帝国大学が
現在でも当時の敷地にある、という点で非常に面白いです。

第四高校

なんと金沢なんです。
旧帝大のある場所とは限らないんですね。
金沢には金沢大学がありますが、
このナンバースクール、旧制高校というのは
旧帝大に匹敵する権威がありました。
正直金沢の人からしてみれば、
帝国大学や現在の国立の旧七帝大のようなトップ大学になっていても
おかしくないくらい旧制第四高校というのは
素晴らしい学校だったということで、
そういう思い出の、ノスタルジーの中に
名門旧制第四高校の思い出というのは、金沢にいつまでも残っているので
びっくり、校舎がまだあります。
金沢のお城の下で博物館になっています。
赤煉瓦のとてもいい校舎で、ここはぜひ見学してほしいです。

第五高校

なんと、熊本なんですよ。
福岡じゃないんです。
九州で旧制高校をどこにつくろうかという時に 当然福岡も立候補したと思うんですが、熊本が勝ったんですね。
福岡には九州帝国大学。今の九大がありますから、
熊本は昔は福岡より人口が多くて、
九州代表の都市は熊本だっていう時代もあったんですね。
ですから、熊本に九州を代表する旧制高校第五高校があったんです。
ここも校舎が残っていまして、金沢大学は郊外に行ってしまいましたが
熊本大学は旧制第五高校のキャンパスをそのまま使っています。
なので、熊本大学の中に赤煉瓦の古い校舎がって
ここも博物館として公開していますが
とても美しいので、ぜひ行ってください。
はっきり言って、私が日本中のすべての県の国立大学に行った中で
熊本大学の旧制第五高校の校舎が一番美しいです。

ということで、熊本も本来だったら九州大学は熊本にあっても
おかしくないくらいの気持ちだったのに、
何もかも福岡大学に持っていかれてしまっていて
やっぱり悔しいと思うんですね。
旧制第五高校が熊本に合ったんだという栄光の記憶、思い出が
今の熊本大学のキャンパスに残っているわけです。

第六高校

岡山なんですよ。
ここも面白くて、中国地方は残念なことに
歴史的経緯から旧帝大が誕生しなかったんですね。
岡山も広島もそれぞれ大きい街で、あってもおかしくなかったんですけど
残念ながらできませんでした。

これは金沢もそうで、金沢か新潟のどちらかが
北陸帝国大学になるなんていう案もあったらしいんですが
実現しなかった。
広島は現在の広島大学になった、広島文理科大学とか
現在の筑波大学と同じような高等師範とか
広島には戦前から名門の大学に匹敵する教育機関があったんですが
残念ながら旧帝国大学にはならなかった。

岡山も戦前の大学じゃないんですけど、
旧制第六高校という旧帝大になってもおかしくなかった
きわめて優れた高校があったので
その辺がやっぱり岡山と広島のどっちが旧帝大にふさわしいのか
という綱引きで両方とも負けるという
残念なことになりまして。
この岡山の第六高校がやはり、岡山は教育の拠点として
本当に優れた場所だったんだと、旧帝大、中国帝国大学があっても
おかしくなかったんだということで、
岡山は教育県と言われますけど、
金沢、熊本、岡山と今でも現地に住んでいる人達、
それぞれの県の人達はちょっと悔しいという思い出があると思うんですね。
自分たちの県には優れた旧制高校があったのに、旧帝大はない。
できなかった。そして今も金沢大も熊本大も岡山大も
優れていますが、残念ながら東北大とか九州大とかには
及ばないようになってしまっていると。

第七高校

鹿児島です。
「熊本にあるじゃん」と。
そうなんです。熊本にあるのに鹿児島にできました。
これはみなさん薄々想像がつくと思うんですけど、
幕末・明治維新の時に薩摩が、鹿児島が頑張ったからじゃないかということで
なんとこの第七高校だけ、名前が違います。
第七高校造士館、というのが正式名称で
江戸時代の薩摩藩侯の名前、造士館がくっついているんですね。
ただ、熊本にもあるのに鹿児島にもできたのは
ちょっと多すぎるということもありまして
戦前でも、比較的入学が簡単だった、あんまり人気のない高校だったので
成績悪い人がここなら入れるぞといって
鹿児島の第七高校に入ったという話も聞きます。

第八高校

最後、どの地方にないんだろう？という。
すっぽ抜けているわけですよ。
残念ながら北海道にはありません。
あの地方がないぞと。
名古屋です。
やっときたかと。というか、関西も京都しかないし
首都圏も東京しかないわけですね。
名古屋が最後なんですけど、明らかに名古屋は冷遇されていて
旧制高校ができたのも最後、帝国大学も最後で戦前ギリギリ。
ということで、優先順位の低い名古屋。
第八高校は名古屋でした。
この高校の跡地は、なんと今は名古屋市立大学のキャンパスになっています。

はるか昔の戦前の旧制高校ですが
非常に優れた教育をやっていて、多くは全寮制で
アメリカの大学みたいな感じなんですよ。
今でもノスタルジー、思い出の中に旧制高校は素晴らしかった
という話をする人は多いですね。

以上、旧制高校だった国立大学ナンバースクール編でした。
ありがとうございました。

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