皆さんこんにちは、山内大治です。今日は、受験戦争時代の親世代がなぜ「年内で決めたい」と考えるのかについて話します。これは単なる受験や大学選びの話ではなく、最近の大学受験に対する保護者の反応についての私の意見・感想です。
多くの高校を回っていると、「親が年内推薦で早く決めたい」と言うんです。正直、信じがたいですよね。我々世代にとって、大学受験といえば年明け受験でした。お正月は神社に初詣に行って「目指せ〇〇大学!頑張れ共通テスト!」という時代。年末に遊んでいる場合ではなかったんです。
一部の友達が指定校推薦で年内に決まって免許を取ったり遊んでいたけれど、大多数は「受験は団体戦」と言って必死に頑張っていました。そんな親世代なのに、今の親は「年内で早く・近いところで決めたい」と言うんです。
ある保護者と話していて驚いたのは、「年内推薦で1校だけ受けたら受験料3万円で済むじゃないですか」という言葉でした。我々の時代のように、年明けに10校も大学を受けたら受験料だけで何十万円にもなります。つまり、受験料が高いから年内で決めたいというわけです。
我々世代は親の時代と比べて賃金は上がっておらず、物価と税金は上昇しています。豊かになっていない、むしろ所得が下がっている世代です。だからこそ、受験にお金をかけたくない。遠い地方の大学に行って下宿代を払うのも避けたい。結果、家から通えて受験料が少ない“年内決定型”が好まれるのです。
今やご存知の通り、私立大学の6割が年内で合否を決めています。そして、親がそれを支持している。これは「早く決まって安心したい」「費用を抑えたい」という気持ちの表れです。
ただし、当然ながら東京大学のような難関国公立や、MARCH・関関同立を目指す場合は年明け受験になります。付属高校や内部進学とはまた違うケースです。
とはいえ、最近では年内に進学先がほぼ決まってしまう高校も現れています。生徒も「楽をしたい」「落ちたくない」という意識から、入れる大学のレベルを下げてでも年内で決めたいという傾向が見られます。
もちろん、年内で決めること自体は悪いことではありません。お金がかからない・早く決まるのは良いことです。しかし、「勉強しなくていい」「努力しなくていい」という価値観のお子さんになってしまうのは、とても危険です。
年内に英語と国語だけの試験で決まる推薦を選び、「年明けの一般はもういいや」と諦めてしまう。それで本当にいいのか?就活で不利にならないのか?と私は思うのです。
「入れそうな大学でいいや」と言う人は、将来「入れそうな会社でいいや」と言いかねません。もちろん例外はありますが、努力しない選択が癖になるリスクは無視できません。
今は全員が東大ピラミッドを目指して競争する時代ではありません。しかし、その結果として、「学力で挑戦する層」と「入れるところでいい層」の格差が広がっています。
私はこれが怖いと感じています。年内で決めることが“逃げ”や“妥協”になっていないかを、ぜひ保護者の皆さんにも考えていただきたいのです。
年内推薦で行くのも構いません。ただし、「入れそうな大学」ではなく、「本気で挑戦したい大学」を目指してほしい。たとえば早稲田大学や上智大学、MARCHの推薦入試が簡単なはずはありません。総合型選抜はむしろ努力が必要です。
部活を頑張る子が「県大会ベスト8で満足」とはならないように、勉強でも「途中で満足しない挑戦」をしてほしいと思います。テストを尽くすという経験は無駄ではありません。
全員が東大を目指す必要はありません。大切なのは、どんな進路を選ぶにしても「ベストを尽くす」という姿勢です。大学進学だけが正解ではなく、専門学校や就職も“考えて選んだベスト”なら立派な選択です。
年内推薦が逃げや妥協にならないように、親子でよく話し合ってください。お子さんにとって本当に価値ある選択をしてほしいと思います。ありがとうございました。
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