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海外の医大(医学部)に進学する?留学して医者になる方法

留学して医者になる方法

 

将来医者を目指す受験生にとって、進学先の候補としてまず考えられるのは国内の医大や大学医学部ではないでしょうか。

 

しかし、医学を学べるのは国内の大学だけではありません。

 

「医学部へ進み、いずれは海外留学も経験したい」と考えているなら、直接海外の医大(医学部)に進むという選択肢もあります。

 

そこで今回は、留学して医者になる方法についてご紹介します。

 

 

 

海外の医大(医学部)への進学

海外の医大(医学部)に進学し医学生になるということは、どのようなことでしょうか。海外進学のメリット・デメリットを通してご紹介します。

 

海外の医大(医学部)に進学するメリット

主なメリットを3点ご紹介します。

 

1.医学と外国語をまとめて習得できる

海外の医大(医学部)に進学することで、医学を学びつつ外国語(現地語)も同時に学ぶことができます。

 

国内の大学に進学した場合、外国語で医学を学ぶ機会はそうあるものではありません。

 

例えば将来、医師として国際活動に携わることを志している方には魅力的な環境といえるのではないでしょうか。

 

2.外国の医師免許(資格)が得られる

進学先の国で医師免許(資格)を取得することができます。

 

現地と日本のどちらでも医師として働いたり大学院に進学したりできるため、大学卒業後の可能性が広がります。

 

※日本で医師として活動するには、条件や必要な手続きがあります(後述)

 

3.入試難易度が低めである

進学先の国や大学にもよりますが、海外の医大(医学部)には日本ほど入試の難易度が高くないところがあります。

 

3.学費が比較的安い傾向にある

こちらも進学先の国や大学によりますが、日本の医大(医学部)と比較して学費が安い傾向にあります。

 

また、日本より給付型奨学金(返済不要の奨学金)制度が充実している国も多く、成績次第ではほとんど学費をかけずに学ぶことも可能です。

 

海外進学のデメリット

一方、以下のようなデメリットも想定されるため、海外進学を検討する際は注意が必要です。

 

1.外国語で勉強しなければならない

ただでさえ医学を学ぶのはハードなのに、さらに外国語の習得にも取り組まねばなりません。

 

英語をはじめとした語学に自信がない方には、困難が予想されます。

 

そのような方は、入学前の予備授業や準備コースが用意されている大学をおすすめします。

 

2.大学卒業要件が厳しい

「海外の大学は入るのは難しくないが、卒業が難しい」とよくいわれます。

 

医大(医学部)もその例に漏れず、日本の大学よりも卒業の難易度が高めといえます。

 

3.留学生活に慣れが必要

海外に進学するということは親元を離れ、文化や生活習慣が異なる国で生活することになります。

 

言葉が身につき生活に慣れればかなり楽にはなりますが、慣れるまでは多少の苦労は覚悟が必要です。

 

 

海外の医大(医学部)事情

 

海外の医大(医学部)事情

 

留学先の国や地域にもよりますが、海外の医大(医学部)にはそれぞれの特色があります。

 

ここでは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの3地域を例に、それぞれの地域で医者になる方法や特色をご紹介します。

 

アメリカ

アメリカ(米国)の場合、高等学校を卒業後に医学部へ進学する日本とは医師になるステップが異なります。

 

大学で4年間学んだ後、「メディカルスクール」と呼ばれる専門職大学院に進学し、医学を学びます。

 

アメリカの4年制大学を卒業した場合、MCAT(Medical College Admission Test:医科大学入学試験)にパスすることが入学条件です。

 

日本の4年制大学を卒業後に米国での医師免許取得を目指す場合は、米国内の大学で2年以上学びMCATにパスすることが必要です。

 

メディカルスクール卒業後もインターンシップ(臨床研修)やレジデンシー、フェローシップ(専門医研修)として研鑽を磨くことになります。

 

ヨーロッパ

日本からもハンガリーやチェコなどの東欧圏の医大(医学部)に進学する方がみられます。

 

この2国が進学先として選ばれる理由として、日本人学生の受け入れ態勢が充実している医大(医学部)があること、授業や学内会話に英語が用いられることが多く医学と英語を同時に学べることがあります。

 

EU加盟国の大学で取得した医師免許はEU圏内全ての国で通用します。

 

また、日本はもちろんアメリカやカナダ、インドなど他国の医師国家試験の受験資格も得られます。

 

※出願条件はそれぞれの国によります。

 

アジア

アジアの経済活況の影響もあってか、アジア各国の医大(医学部)に進学するケースも増えてきました。

 

特に中国は海外からの留学生を積極的に受け入れています。

 

医師として、日本のみならず世界で活躍したいと考える学生を積極的に受け入れ、中国語を含めた多くの外国語を習得しながら医療を学べるカリキュラムが提供されています。

 

中国の医師国家試験には実技試験も含まれているため、その対策として早い段階から実践の場に立つことができるという特色があります。

 

 

海外の医大(医学部)に進学して日本の医者になる方法

 

海外に進学して日本の医者になる方法

 

海外の医大(医学部)を卒業すれば現地での医師免許は取得できますが、日本で医師になるためには日本の医師国家試験を受験する必要があります。

 

また、日本で医師国家試験を受験する前には、厚生労働省の審査を通過し、人によっては予備試験や1年以上の実習が求められるケースもあります。

 

これらの試験や審査に合格・通過すれば、海外の医大(医学部)出身であっても日本で医師として活躍することが可能になります。

 

 

おわりに

今回は、海外の医大(医学部)に進学して医者になる方法をご紹介しました。

 

もちろん海外への進学時にも、日本での成績がまったく問われないというわけではありません。

 

TOEFLのスコアや英検取得が出願資格の1つであることも珍しくなく、特に英語力は進学先の国を問わず重要です。

 

また、高校卒業程度の生物・化学・物理を英語で理解する力や知識も問われます。

 

海外の医大(医学部)への進学・留学を目指す方は、英語と理科系科目を盤石に固めておくことが必須と言えるでしょう。